痛みや肩こりが緩和するのはなぜ？効果と持続期間から見る鍼灸の特徴

鍼灸にどのようなイメージを持っているでしょうか。鍼灸とは、鍼や灸を用いてツボを刺激することで、身体の不調を改善する施術方法となっています。多くの方が、肩こりや腰痛に効くと認識しているようですが、それだけではありません。鍼灸は、さまざまな疾患に良い影響を与えてくれるのです。ここでは、鍼灸の効果や持続期間についてご紹介します。ぜひ参考にして、施術を受けるか検討してみてください。

鍼灸施術の流れ

まずは、簡単に鍼灸施術の流れをご説明します。鍼灸医院などの施設に来院し、問診票の記入後、診察と検査を受け、施術に入ります。

鍼治療とは

鍼治療では、数ミリの細いステンレス製、または銀製の鍼を身体に刺入します。鍼を刺した状態で10分程度キープして、刺激を持続させる「置鍼」のほか、鍼の刺し抜きを繰り返す「単刺」、鍼に電気を流す「電気鍼」などの種類があります。

改善したい症状によって適した治療法が変わるため、診察の際に自身の状態を詳しく伝えることが大切です。鍼治療によって強い痛みを感じることはほとんどなく、ジーンと響くような感覚を覚えます。

灸治療とは

灸治療では、艾（もぐさ）と言われる、ヨモギの葉を干して作られたものを、皮膚の上で燃やします。紙パルプの上で行う「台座灸」、薄い紙を敷く「透熱灸」、塩を詰めた竹の筒の上で行う「塩灸」などが挙げられます。熱の伝わり方や範囲が異なるので、施設がどの方法を採用しているか確認してみてください。

灸治療による火傷が不安な方は、皮膚の上で直接艾を燃やすのではなく、間接的に行う種類を選びましょう。しかし、気持ちの良い温かさを感じる程度なので、そこまで心配はいりません。

施術後は、状態の確認や、継続する場合のスケジュールについて説明があります。

鍼灸施術の効果

鍼灸施術は、私たちが想像している以上に、幅広い疾患に対する効果が期待されています。

鍼灸施術で改善できる症状

肩こりや腰痛のほか、冷え性やめまい、頭痛や便秘といった、日常的に起こり得る症状の多くを改善してくれます。そのほかにも、一見関連性が無さそうな生理痛や喘息、骨折や糖尿病などの症状も含まれるのですから、驚きです。

疾患以外にも、美容法として、たるみやむくみの解消に役立てられています。

症状が改善するのはなぜ？

上記のような症状が改善される理由は、鍼灸施術によってツボを刺激することで、人間の自然治癒力が発揮されるからです。

たとえば、鎮痛作用が働きます。刺激をきっかけに信号が脊髄や脳に伝わり、血流が良くなるため、痛みを感じさせる物質が排除されるという仕組みです。また、鎮痛物質も生まれます。そして、免疫機能をアップさせます。血流が良くなると、免疫細胞である白血球が身体を巡りやすく、より活発に動くからです。

さらに、自律神経の状態が良くなります。鍼灸施術は、身体の緊張を緩めてくれるため、呼吸が整います。そうなると、脈拍が整い、自律神経も整うという流れです。自律神経のバランスが取れると、身体だけではなく、精神も安定します。

このように、鍼灸施術に促され、もともと備わっている身体の機能が最大限活かされることで、幅広い症状が改善されるのです。鍼灸は、身体の内側の根本的な原因から症状の解決を目指せる、という特徴があります。

鍼灸施術による効果の持続期間

鍼灸施術の効果は、どれくらい続くのでしょうか。人によって効果の出方が異なり、症状にも左右されるため、明確な答えは存在しません。一般的には、施術から1週間ほどであると言われています。一度の施術で効果を実感できることもありますが、症状の程度によっては回数を重ねることが必要です。専門家に相談した上で決定しましょう。

知っておきたいツボの場所と効果

ここからは、実際に身体のどこがツボとなっているのか確認してみましょう。場所によっては、セルフケアで対応する人もいます。お困りの症状に効果が期待できるポイントを見つけてみてください。

肩こりに効く肩井

首の後ろの骨と、肩の端の骨との中間地点にあるのが、肩井です。その名の通り、肩こりの改善が期待できます。そのほかにも、自律神経失調症や、緊張からくる頭痛にも効き目があります。

月経不順に効く地機

膝の内側からくるぶしを繋ぐ線上の、上から7cmあたりにあるのが、地機です。月経不順を改善するほか、倦怠感やお腹の膨満感を和らげてくれます。

頭痛に効く合谷

親指と人差し指の付け根、その間の窪みにあるのが、合谷です。頭痛に効くほか、目の疲れや鼻水などの症状を緩和してくれます。すぐに試せる場所なので、ぜひ指で押してみてください。

まとめ